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25年度元気な高齢者社会参加支援モデル事業(一関会場)

シニアの生きがいづくり・出番の応援

高齢者の生きがいづくり・地域づくりについて学び、話し合うなど、高齢者の社会参加を応援するために、サロン、講演会、交流会を開催しました。

25年度、一関市で開催した内容をお伝えします。


いわい・シニアわくわくサロン

10/30、11/12、11/26の3回開催
いわい・シニアわくわくサロンには一関市内等から約20名が参加しました。

コーディネーター役に岩手県立大学総合政策学部の倉原宗孝教授の助言・指導のもと、生きがいづくりや地域づくるり、地域が抱える課題について学び、参加者同士が話し合いを重ねました。

最初の顔合わせでは自己紹介や地域紹介が行われ、和やかな雰囲気で交流が始まりました。続いて、地域の問題や取り組んでみたい活動などを各自が普段思っていること、考えていることを書き出しながら話し合いました。



「孤独死をなくしたい」「地域の特性をもった食が必要」「伝統を伝える」「このサロンの参加者で団体を立ち上げたい」など意見が多く出されました。




また、参加者同志、各自が抱える悩みなどを話し合いました。

「介護や健康について」「お墓はだれが守るべきか」「地域の人のつながりが薄れてきていること」など身近なテーマから、「少子化問題をどう解決するか」という大きな話題まで、様々なテーマで話し合いました。



回数を重ねてワークショップを開催する中で、参加者で会を立ち上げ、継続して交流を持ちたいという意見が多く、今後は具体的な実践に向けた交流を予定するととしました。




講演会、講座

この事業では、ワークショップのほかに、中央講師等を招き、高齢者の社会参加などについて学ぶため、講演会等も開催しました。

12/10、シニアライフアドバイザー、有限会社アリア代表取締役社長の松本すみ子氏の講演会を開催
シニアライフアドバイザーとして活躍される松本すみ子氏を招き講演会を開催しました。当日は約50名が参加。演題は「わがよきセカンドライフと地域デビュー〜経験と知識を生かして再び輝く〜」。熱く語る松本氏に参加者は熱心に耳を傾けました。



日本の高齢化の現状と健康寿命について説明し、高齢者の自立した生活に言及。「アクティブに生きる高齢者は病気になりにくい」と述べ、社会参加によって生き生きと過ごす全国の高齢者を紹介しました。



「高齢者の生きがいは地域にある。今の社会は、孤立化、待機児童など様々な課題を抱えている。シニアの皆さんの豊富な経験や技術を地域のためにいかしていただきたい。それが自分の新たな生きがいにつながります」と語りました。

その他、コミュニティビジネス、NPO活動などが紹介され「シニアに必要な『きょうよう(今日の用事)』と『きょういく(今日行くところ)』を見つけ、ぜひ『生きがい活動』を実現してほしい」と締めくくりました。




1/21、講演会「地域の介護を支える高齢者の力」を開催
社会福祉法人つくし会理事長で特別養護老人ホーム明生園園長の熊谷茂さんを講師に迎え、「地域の介護を支える高齢者の力」と題して講演。熊谷さんは、高齢者の介護職への参加を訴えました。


熊谷さんは、急速に進む高齢化について人口統計をもとに説明。「1990年の75歳以上の人口は597万人だった。それが、2010年は1419万人、2030年には2278万人。それに反して、支える側の現役世代はどんどん減少する」と急速に進む高齢化の中で、支える側と支えられる側が「アンバランスな状態になる」と指摘しました。



また、介護の現場の問題点をあげました。「70歳の娘が90歳の母親を介護する老老介護、夫婦ともに認知症で、夫の死亡を妻が認識できないでいた認認介護など様々な例をあげ、「地域住民の参加は不可欠で、生活支援サービスの充実、相互扶助が大切となる」と提案しました。




「今後も確実に高齢者を支える人が減少する。高齢者でも健康な人には、介護職を目指す若い人のお手本として活躍いただきたい。それは高齢者自身の生きがいにもつながる」、介護の新たな担い手として元気な高齢者への期待を寄せました。




2/20、講演会「好齢者は地域で『志事』〜事例にみる、うまくやる秘訣〜」を開催

三東京都三鷹市のNPO法人前代表理事の堀池喜一郎さんを招いて講演会を開催しました。

同法人は、シニアがシニア自身をサポートするコミュニティビジネスの先駆的事例として全国に知られ、経済産業大臣賞を受賞しており、堀池さんは、経験や事例を交えながらシニアの社会貢献活動へのアドバイスをしました。


堀池さんは「全国で約1500万人いる75歳以上の高齢者の3割は認知症になると言われているが、東京大学と東京都が行った調査によると、適度な運動を行い、食生活に注意し、他人とのコミュニケーションを図っている人の発症予防効果は5倍あると紹介。


「現役時代に会社人間として生きてきた人は”ただのおじさん”から”ただならぬおじさん”に変身できるよう、住み慣れた地域で役立つように活動してほしい」と続けました。

さらに、「無償のボランティア活動よりも少額でもいいので稼いだ方がいい。有償ゆえに責任感が芽生え、生きがいにとどまらずやりがいとなる」と結びました。




 
いわての保健福祉支援研究会